自作系のパソコンをお使いの方限定の話題になっちゃうんですが、
今お使いの電源ユニットって、いつくらいにお買い上げになったものを使ってますか?

 あ、でも自作じゃないパソコンのユーザーも見ておいて損は無いかもしれません。大手メーカー製パソコンの修理依頼の多くは電源ユニットの故障だったりしますから・・・

 ここ2・3年でパソコン用電源ユニットに【80PLUS認証】というマークが付くようになりました。これは電源の変換効率を認定するものなんです。

電源ユニットの変換効率というものは、
パソコン全体の消費電力を左右する重要なファクターです。

 例えば、変換効率が60%の電源ユニットがあったとします。パソコンを動かすために150Wの出力が必要な場合、150W ÷ 0.6 = 250Wとなり、150W必要なパソコンを動かすために250Wの入力が必要になります。
 これがもし、変換効率が80%の【80PLUS認証】を受けた電源なら、150W ÷ 0.8 = 187.5Wですから、前述の変換効率60%の電源と比べると、なんと62.5Wもの消費電力の違いとなってくるのです。
 80plus






 この【80PLUS認証】は、変換効率の定めに応じてクラス分けがされています。
 最高の【80PLUS PLATINUM】に至ると、電源の負荷20%で効率90%、負荷100%で効率89%を達成します。

 この変換効率は、引き込んだ電力が効率よくエネルギーとして使われているかどうかの目安になるわけですが、これはもっと単純な話として「品質の良い電源なのか?」という目安にもなるわけです。品質の良い電源を使うとパソコンの安定動作やパーツの寿命に良い影響を及ぼします。

 変換効率が低い電源は、ロスした電力を熱として消費しますから、パソコンの温度が上昇します。熱暴走や熱破壊のリスクが上がります。パソコン内部の温度が高いと冷やさなくてはなりません。冷やすためにファンを増やしたり高速で回すと騒音が生まれます。消費電力も微々たる物ではありますが高くなります。いいことがありません。

あ、余談ですが、大事なのでちょっと別な話。

一般的なパソコンでは、ピーク時でも300W程も必要とする構成って滅多にありません。
それでも500W~600Wクラスの電源が推奨されることが多いと思います。なぜ?

これも変換効率が少し絡むお話になります。

 パソコン内部のパーツ類、そのほとんどが+12V系統で動作します。そこに割り当てられているアンペア(A)と電源ユニットの変換効率を掛けると、実際に使うことが出来る電力が分かる訳で、それが目安になるんです。

例えば【80PLUS認証】を受けていて、+12V 1系統に20A割り当てられている電源ユニットがあります。最近の電源のほとんどが+12Vを2系統持っていますが、そのうちの1系統はCPU周り専用だったりして、ドライブ類やグラフィックボードに使えるのは1系統だけだったりするんです。

power-500もしそういう電源だとすると

12V × 20A × 変換効率0.8 = 192W

この192WでHDDや光学ドライブやグラフィックボードなどを賄う訳です。
意外に少ないですよね、でも500Wクラスの電源はこんなもんです。
ですから、実際の消費電力は300W以下の構成でも500Wクラスの電源が必要になるんですよ。
 もし変換効率が100%だと240W使える訳ですから、たくさんの機器を内蔵出来ます。逆にそんなに出力が必要ないなら、出力の小さい電源ユニットに変更することも出来るんです。※そんな電源ありませんが・・・
 ちなみに最近は敢えて+12Vを1系統にした製品も登場しています。構成に融通を利かせることが出来るからです(SILVER STONE SST-ST50F-Pなど)

余談のほうが長くなっちゃいましたね・・・(汗


という訳で今日は、
電源ユニットをイマドキの【80PLUS認証】を受けている製品に交換すると

・省エネ&ECOになり
・パソコンの寿命が延びるかもしれないし
・騒音も減らせるかもしれませんよ

という夢のある話をお伝えいたしました。

※電気の細かい話は省略して、分かり易く解説しました。実際とはちょっと違う部分もございます。



担当:水木@青デポ

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